司法書士松永美里コラム

不動産登記のこと



不動産の手続きは、本人の意向が大切です

夫名義の不動産を自分の名義に変更したいんです・・・。

と、奥様からご相談をいただきました。

 

夫には前妻との子供がおり、夫が亡くなった後の自宅の相続が

心配で、生前に名義を変えてしまいたいとのこと。

 

 

このようなご相談をいただいた場合、まずはご主人のご意向は

どうであるかを確認させていただいています。

 

ご主人が認知症など、ご自身で判断することが難しい状態で

あれば手続きは出来ません。

 

夫婦、親子であっても、財産は別。

夫や親の名義を、家族が勝手に変えることはできないのです。

建物の登記が昔のままだったら?

相続登記のご依頼をいただいて建物の登記事項証明書を確認すると、面積や構造が現状と全く違う・・・ということがあります。

 

増築したのに登記をしていなかったり、取り壊した建物の登記が残っていたり、新しく建て替えをした建物が登記されていなかったり・・・・。

 

固定資産税のお知らせは、市町村が現地を調査した上で現在ある建物(実際に建っている建物)が記載されています。でも、市町村の把握している建物と登記はリンクしていないので、登記は昔のまま変わっておらず、相続登記をしようと思って初めて分かったということがあります。

 

この場合、すぐに登記を変更しなくても困ることはないのですが、いずれ建物を売却したり借入をして抵当権を設定する場合は、かならず表示を変更しなければいけません。

 

相続登記を機会に、建物の登記も現状に合わせておきたい・・・というご依頼をよくいただきます。その場合、建物の面積や構造の変更登記は、土地家屋調査士をご紹介させていただきます。お気軽にご相談下さい。

不動産の贈与

手続きは何故か重なる・・・と思っていたら今週は贈与が重なりました。

 

「家族間で不動産の名義を変えたい=贈与をしたい」というお問い合わせは多いのですが、実際に手続きをする方は少ないです。

 

なぜなら、贈与は税金(贈与税・不動産取得税・登録免許税)がとても高額になるため。どのくらいの税金・費用がかかるのか?をご説明させていただくと、多くの方は手続きをしないことを選択されます。

 

「親が年をとってきたから今のうちに名義を変えておいた方がいいと思って・・・」などの理由でしたら、費用の面から考えるともったいないかなと思います。

 

 

今回は、どうしてもすぐの贈与をしなければならない理由があるということで、手続きをさせていただきました。

 

1件は贈与税が発生する案件だったので、登記前に税理士に相談いただき、贈与税の税額や申告についてご理解いただいた上で手続きをさせていただきました。

 

登記の手続きは当事者の書類と印鑑があれば簡単に終わるのですが、税金のことを考えずに手続きをしてしまうと、後で大変な税金を納めなくてはならなくなります。

 

不動産の名義を無償で変える=贈与=税金がかかる!ということです。

 

 

 

 

コンピュータ化されていない不動産の登記

最近2件続けて、コンピュータ化されていない不動産の登記申請をしました。

 

現在、法務局では登記事項証明書はほぼコンピュータ化されており、パソコン上で不動産の登記事項証明書の閲覧をすることが可能です。(ただし登録が必要で、手数料がかかります。)

 

しかし、一部コンピュータ化されていないものが残っており、それは昔のように、管轄の法務局に書面で申請しなければなりません。

今回は「二重登記」が原因でコンピュータ化されていないとのことでした。

 

コンピュータ化されていないということは、オンライン申請が出来ず、登記完了証も登記識別情報も通知されません。

そのため、書面で申請し、登記完了後は、以前の「登記済証」が交付されます。

 

開業して5年になるのですが、このような登記は初めてで、しかも2件連続であったので少し驚いています。

農地の売買

今日は事務所で売買の立会いがありました。

 

不動産業者を通さずに、ご近所同士で土地を売買するということで、書類の作成や立会い、所有権移転登記の申請をさせていただきました。

 

今回の土地は地目が「田」でした。

「田」や「畑」といった農地は、勝手に売買や贈与ができないことになっています。

 

農地を勝手に誰にでも売却や贈与をしてしまうと、農地が減ってしまい農業が衰退してしまうため、原則として農業委員会の許可が必要なのです。

 

今回は買主の方が農業をされている方だったので、農業委員会の許可が下り、許可書が交付されていましたので、手続きをすることができました。

 

個人間の売買を検討される際は、地目が何になっているか?も最初に確認して下さいね。

書類の返却

昨日と今日は、終了したお手続きの返却にあちこちへと・・・。

 

法務局に登記の申請をするとすぐに手続きが完了するのではなく、一定の期間がかかります。

 

その期間は2日だったり1週間だったり、まちまちなのですが、金沢地方法務局のホームページに完了予定日が記載されているのでご確認いただくことができます。

 

その期間が経過して法務局での登記が完了すると、新しく名義人になられた方(不動産を買ったり、相続されたりした方)に登記識別情報(昔の権利証に変わるもの)が発行されます。

 

大切な書類ですので、事務所まで取りに来ていただくか、こちらからご自宅にお届けしています。

 

仕事の都合などで土日や遅い時間が都合がいいという方でも、対応させていただいています。

不動産のオンライン申請

七尾、輪島、加賀・・・と遠方の登記のご依頼が続いています。

 

不動産登記は管轄が決まっていて、金沢にある不動産の登記は金沢地方法務局(本局)、七尾は七尾支局、輪島は輪島支局、加賀は小松支局・・・と、不動産の所在地を管轄する法務局に申請することになります。(管轄は法務局のホームページで調べることが出来ます)

 

申請は窓口に直接持って行っても、郵送でも出来ます。

 

その他に登記・供託オンライン申請システムを使って、オンラインで申請する方法もあります。オンライン申請であれば、全国どこの不動産であっても事務所から申請をすることができます。

 

そのため、県外にある不動産であっても、近くの不動産と同じようにご相談をお受けして手続きまでさせていただくことができます。

古い抵当権が残っていたら?

明治や大正時代に設定された抵当権が、そのまま抹消されずに残っていたら?

相続のご依頼を受けると、このような不動産に出会うことがよくあります。

 

債権額は数百円や数十円(当時の金額としては高額だったのでしょう)なので、それを支払って抹消してしまいたい・・・ところですが、簡単ではないのです。

抹消をするためには、抵当権者と共同で登記申請をしなければいけないためです。

 

登記簿には、抵当権者の住所と氏名が記載されているので、その方に連絡を取って印鑑をいただいて手続きをすることになるのですが、恐らく亡くなられているでしょう。

 

古い抵当権であっても、残っていると売却や担保に入れる際に支障になります。抹消登記する方法がありますので、このような不動産がある場合は一度ご相談下さい。

認知症の方の不動産

お手続きが終わった後、「ついでに聞いておきたいのですが・・・・」とご質問いただくことがあります。

 

 

その中で最近よくいただくのが、

 

「自宅がおじいちゃん(おばあちゃん)の名義になっているけれども、認知症になってしまった。亡くなる前に名義を変えたほうがいいのでしょうか?」

 

というご質問です。

 

認知症になりご自身の意思で契約をすることが困難な場合、名義を変更することは出来ません。

 

名義を変える手続きは主に「贈与(無償)」又は「売買(有償)」の二つになりますが、どちらも契約となります。そのため、契約の当事者双方に、契約をする能力がなければ成立しないのです。

 

財産は個人のものですので、ご家族であっても認知症の方の財産を勝手に処分することは出来ないのです。

 

ついでのご質問は大歓迎です。気になっていることがあれば、手続きのついでに何でも聞いていただければと思います。

抵当権抹消登記

抵当権抹消登記申請のご依頼をいただきました。

 

住宅ローンで金融機関からお金を借りた時など、通常は金融機関が対象の土地・建物に抵当権を設定します。そして、抵当権設定登記がされます。

 

その借入の返済が終わると抵当権の効力は消えてしまうのですが、登記は申請をしない限りいつまでも残ってしまいます。

 

完済された後で、金融機関から抵当権抹消に必要な書類が交付されますので、管轄の法務局に抵当権抹消登記申請をしなければいけません。司法書士はその登記申請の代理をすることができます。

 

抵当権抹消登記をしないまま放置したり、書類をなくされてしまうと、余分な手間と費用がかかることがあります。是非お早めにご相談下さい。

登記費用はどれくらいかかる?

司法書士に手続きを依頼する場合、費用がどれくらいかかるか気になるのではないでしょうか。

 

 

登記申請をする際に必要な登録免許税という税金があるのですが、この金額を算出するためには、市町村が出している固定資産税評価額が必要となります。その金額が分からないと、税金の計算が出来ないのです。

 

その固定資産税評価額は、毎年5月頃に固定資産税の納付書と一緒に市町村から送られてくる「課税明細書」に記載されています。この「課税明細書」を見せていただければ、おおよその登記費用をお伝えすることができます。

 

 

登記費用のお問い合わせのみでも喜んで対応いたしますので、お手元に「課税明細書」をご準備の上、お気軽にお問い合わせ下さい。

プロに依頼するということ

フェイスブックページの開設をあぽじらの伊藤さんにお願いしたところ、さくっと10分程度で形になり、あれよあれよと言う間に完成してしまいました。

 

専門家に何かをお願いすると、当然費用が発生します。

お金がもったいないから自分で出来るなら調べてやってしまおう!

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

でも、苦手なことを一から調べて、労力と時間を使って・・・・と考えたら、専門的なことはその道のプロにお任せした方が、時間を有効に使えると思いませんか?

 

私は、「お金は時間を有効に使うためのツール」だと思っています。

時間は限られています。

苦手なこと、嫌なことをしている時間はありません。

専門家にお任せして、自分の好きなことに時間を使う方がいいと思っています。

 

それだけではなく、専門家にお願いするのと素人が調べてするのとでは、当然クオリティが違います。

 

登記は、司法書士に委任せず個人で申請をすることもできます。

でも、司法書士にご依頼いただくと

 

 その登記をすることによって将来どのようなことが考えられるか?

 他に選択肢はないのか?

 

など、専門家ならではの視点でアドバイスをすることができます。

 

時間を有効に使うため、そしてクオリティの高いサービスを受けるために、専門家を利用しませんか?

司法書士費用は高い?

以前司法書士に登記を依頼したが、費用が高かった!!

と、お聞きすることがあります。

 

司法書士の請求書には、

①報酬

②登記費用

の両方が記載されています。

 

①報酬は、各事務所で異なっていますので、同じ手続きでも高い、安いというのがあります。

②の登記費用は、ご自身で手続きをしても必ず発する「実費」なのですが、その中でも一番大きいのが「登録免許税」です。

 

登録免許税は、登記の申請をする際に納めなくてはいけない税金で、申請の内容によって税率や税額が決まっています。

 

例えば、固定資産税評価額が1000万円の土地を購入される場合、1000分の15の登録免許税が課税されますので、15万円を納めていただくことになります。

 

それが請求書に記載してあるので、司法書士費用は高い!!と思われたのかもしれません。

もし、費用が高いなあと思われたら、請求書や領収書の内訳をご確認下さいね。

遠方の不動産の手続き

遠方の不動産なのですが手続きできますでしょうか?

と、お問い合わせをいただくことがあります。

 

はい。大丈夫です。

不動産の登記申請は、管轄がきまっています。

金沢の不動産なら金沢地方法務局(本局)、七尾の不動産なら金沢地方法務局七尾支局など。

 

当事務所では、オンライン申請を行なっておりますので、県内はもちろん、全国どこの不動産の申請でも対応が可能です。

 

わざわざ不動産の所在地近くの司法書士を探さなくても、お住まいのお近くの司法書士にご相談下さいね。

 

離婚した場合の不動産

夫婦2人の名義になっている不動産がある場合、離婚してしまったら?

 

不動産はお二人の名義のままでは色々と問題が生じるので、どちらか一方に名義を移すことになると思います。財産分与による所有権移転といいます。

 

その登記は、二人が共同ですることになりますので、もらった方が一方的に手続きが出来る・・・と言うわけではありません。必ず相手に印鑑や書類をもらったり、協力してもらうことが必要です。

 

そのため、離婚して不動産を共有のまま放置しておくと、何年もしてから相手に連絡をとって印鑑をもらわないといけないことも。

 

その時にスムーズに手続きに協力してもらえればいいのですが、連絡がとれなかったり協力してもらえなかったりすると、売却も出来なくなります。

 

離婚をされた方は、不動産の名義変更も忘れずに行うようにして下さい。

 

不動産の売買

今日は午前中、事務所で不動産の決済がありました。

 

不動産の売買は、通常

 

①売買契約・手付金の支払い

②残代金の支払い・所有権の移転

 

とする場合が多く、②の残代金の支払いの際に、司法書士が立ち合わせていただき、所有権移転登記の申請をします。

 

代金を支払ったのに登記がされなかった・・・ということがあっては大変なので、何度お手続きをさせていただいても、慣れることはありません。

 

不動産業者の仲介なしで個人間売買をされる際も、後々のトラブルを避けるために、立会い及び所有権移転登記申請は司法書士に依頼されることをおすすめいたします。